雨の日のバイク

雨天時の安全なバイク運転テクニック

雨でも安心して走る装備選びと準備

レインウェアは耐水圧だけでなく透湿性で選ぶと内部の蒸れを抑え、集中力を維持できます。ジャケットとパンツの接合部に段差があると走行風で水が染みこむため、ウエストを二重で留めて隙間を無くしましょう。グローブは甲側に撥水加工、掌側にグリップ力の高い人工皮革を採用したタイプが理想です。
ブーツカバーは歩行を想定したものより、ソールが薄くペダルフィールを損なわないライディング専用を選ぶと操作がしやすくなります。ヘルメットシールドには親水系コーティングを施すと水滴が膜状に広がり視界がクリアになります。

出発前にタイヤの残溝を指で確認し、浅溝化したスリック部分が無いかをチェックしてください。空気圧は指定値より15kPaほど下げると接地面積が増えグリップが向上しますが、高速走行時の発熱を考慮して一般道限定の設定に留めます。チェーンには水置換タイプのルブを薄く塗布し、リンク内の保護膜を保持することで急激な伸びや錆を予防できます。

濡れた路面でのブレーキングと荷重移動のポイント

ウェット路面ではタイヤが路面の微細な凹凸を掴みにくくなるため、制動距離がドライ時の約1.5倍に伸びます。フロントブレーキは初期制動を抑えてじわりと握り込み、フォークが沈み切る直前で最大制動力を得るイメージで操作します。

リアブレーキは姿勢制御に重きを置き、軽く踏んで車体を安定させたまま減速に繋げるとロックを防げます。立ち上がり加速では腰を後方に引き、ハンドルに荷重を掛けすぎないよう注意します。ステップ荷重を用いて外足に体重を預けることでバンク角を浅く保ち、滑り出しを早期に感じ取れます。

白線やマンホール上では軽くクラッチを切り、駆動力を抜いて通過することでスリップによるハイサイドのリスクを下げられます。下り勾配ではエンジンブレーキを積極的に使い、アクセルはわずかに開けたまま回転を保つと後輪の荷重抜けを防げます。

視界と安全距離を確保する走行ライン

雨粒で前方視認性が落ちると、遠くの危険を早期に察知できなくなります。視線は通常より先へ送り、テールライトの集団の動きを広い範囲で把握しましょう。前走車の轍には排水が進んで水膜が薄い部分があるため、そこをなぞる形でライン取りをするとハイドロプレーニングを回避しやすくなります。

ただし大型トラックの轍は深く、ステアを取られる恐れがあるので避けるのが賢明です。速度は法定速度の8割程度に抑え、車間距離は二倍以上を確保します。濡れた路面では視覚よりも耳で捉える情報が減りがちですが、レインフードで無音状態になると周囲への注意が散漫になります。適度にフードを緩め、周囲のエンジン音やタイヤノイズが聞こえる環境を維持することで、接近車両の存在をいち早く察知できます。最後に、休憩時にはグローブを外し指先の血流を回復させて感覚を取り戻すことが、雨中でも繊細な操作を継続する秘訣です。