先進安全自動車(ASV)とは?
ITをはじめ、多くの技術が進歩した現代において、安全運転を支援するシステムを搭載した車、いわゆる先進安全自動車(ASV)が普及しつつあります。
代表的なASV技術としてよく挙げられるのが、レーンキープアシストです。
これは意図しない形で車両が車線を逸脱した場合にシステムが警報によってドライバーに注意を促すとともに、自動的に車線内に戻る機能のことを指します。
画像処理などのIT技術が普及したことで安全運転のサポートが可能になり、安全面の向上も大いに期待されています。
このようなASV技術は自動車で普及していることは多くの方が知っていますが、実はバイクをはじめとする二輪車にも導入が進んできています。
装置を積むスペースが少なかったり、車体を傾ける乗り物なこともあり二輪車への導入は技術的にも少し遅れていましたが、今では制御技術の向上によりABSをはじめとする技術が多くのモデルに搭載されています。
コーナリングABSとは?
ABSはアンチロック・ブレーキ・システムともいい、急なブレーキによって車輪が固定されることを防ぐ機能です。
このABS技術を二輪車にも適用させたのがコーナリングABSで、バイクの状態や車体を検知して、バンクしている時でも適切にブレーキをかけられる機能が搭載されています。
これによって急なカーブでも転倒のリスクを最小限に走ることができ、バイクドライバー達の安全性を向上させています。
スピードを出しているバイクほどコーナリングは難しく、操作を誤れば曲がりきれず激突したり転倒しやすいのです。
コーナリング ABSがあることで、こうしたリスクを少しでも回避できます。
コーナリング・トラクション・コントロールとは?
車輪が空転することを防ぐ目的に開発された、トラクションコントロールという安全技術があります。
これはタイヤの空転を感知したらシステムが自動的にエンジンの出力を控えめにして空転を防ぐ技術で、タイヤのグリップが急なアクセルなどで上昇した駆動力に耐えられず起こる空転をこれで防止できます。
このシステムが、コーナリング・トラクション・コントロールとしてバイクにも搭載されつつあります。
コーナリングにともなう車体の傾きや速度を計測して、旋回中に後輪がスリップすることを抑えて車体を安定させる役割をシステムが担うのです。
コーナリングABSにくわえてこの機能があることで、バイクのコーナリング時に起こる事故はますます軽減されます。
こうした安全技術は乗っているドライバーはもちろん、その前後の車両や周辺にいる人々の安全にも大きく役立ちます。
二輪車向けのASV技術はますます研究されているため、より安全性を高めてくれるシステムも誕生するでしょう。