カタログにある数値の解説
各メーカーから出されているカタログには、それぞれの車種について性能を示す数値が表になって掲載をされています。
バイクの性能を示すスペック表は、正しくは「主要諸元」または「諸元表」と言われており、掲載される内容はどのメーカーでも同じものです。
主要諸元は、販売をしようとする自動車やバイクを国土交通大臣に届け出るときに必ず作成をするデータ書類のことで、そこに記載されている内容を見ればだいたいのその車体の性能を把握することができます。
具体的な記載内容としては、車名と型式、総排気量、類別区分ごとの車長・車高・車幅・総重量、保安基準に定められる動力装置、燃料装置、制御装置、灯火装置などの形状や仕様といったものです。
諸元表から読み取れる内容は大きく分類して「居住空間」「車輌寸法」「エンジン性能」「走行性能」といったものが挙げられます。
このうち「居住空間」は室内長・幅・高さ・ホイールベースといった広さを示す項目です。
また車輌寸法も車高や車幅などを示すので、特に自動車やバイクの知識がない人でも比較的概要を掴むことができるのではないでしょうか。
問題は動力装置について説明をする数値で、そちらで使用されている「トルク(N・m)(kgf・m)」や「最高出力(kw)(PS)」などの単位は、見てすぐに何を示すものかわかりません。
特にMTバイクの場合にはそうした数値が性能を示す重要な要素になってきますので、こだわって一台を選ぶのであれば、それが何を意味しているのかということくらいは基礎知識を仕入れておきたいところです。
そのほかにもバイクの諸元表として「クラッチ方式」や「変速比」「減速比」といったものが掲載されていますが、まずは基本的な動力部分のしくみについて理解をしておき、そこから知識を広げていきましょう。
出力とトルクについて
諸元表に出てくる出力についてまず説明をすると、「最高出力」として出される項目は「kW」「PS」「rpm」という三種類の単位があります。
それぞれ「kw」は仕事率や電力を、「PS」は馬力を、「rpm」は1分間あたりのエンジン回転数のことです。
ですので例えば最高出力が23kW(31PS)/11,000rpmというバイクの場合、1分間に11,000回転するエンジンを持っていて、その時23kW(31PS)の馬力を出すということになるのです。
次に「最大トルク」では「N・m」「kgf・m」「rpm」という3つの単位があります。
これも21N・m(2.1kgf・m)/8,500rpmという数値であれば、一分間につき8,500回転をして、そのときに出されるトルク数がいくつであるかを示します。
簡単にまとめると、「馬力」というのは一定時間内にできる仕事量のことを示し、「トルク」というのはどれだけ重いものを動かせるかということを示します。