ウインカー

ウインカーの修理方法

症状を絞り込むチェックポイント

ウインカーが点かない、あるいは片側だけ高速点滅する現象は、単なるバルブ切れに留まらずリレー故障や配線断線、スイッチ接点の酸化など複合的に起こります。
まずレンズ越しにフィラメントを確認し、切れていなければテスターでソケットに12Vが届いているか測定します。導通がなければハンドルステム下を手で揺すりながら再計測すると、振動で導通が一瞬回復して断線位置の見当を付けやすくなります。点滅が速い場合はLED化に伴う抵抗値不足やリレーの接点焼損が疑われます。

雨上がりに片側だけ消灯する症状はソケット内に水分が残留しているケースが多く、接点復活剤を吹き付けて乾燥させると即時復旧することもあります。寒冷地ではレンズ内部の結露が反射板を腐食させ視認性を落とすため、シリカゲルを忍ばせ通気孔を確保しておくと予防になります。

部品ごとの修理手順と確実な確認

原因がバルブなら型番を合わせ新品に交換します。ガラスを素手で触ると皮脂が焦げて寿命を縮めるため装着前にアルコールで拭き取ります。リレー不良はカチカチ音の消失でおおまかに判別できますが、確定には入力電圧と出力周期の測定が必要です。

純正メカニカルから電子リレーへ替える際はピン配置の互換を事前に確認し、エンジンを掛けて電圧が13V近くまで上がった状態で動作テストを行います。配線断線が見つかった場合は錆びた端子をカシメ直し、防水熱収縮チューブで補強します。ハーネス全交換なら車種専用サブハーネスを用意するとカプラー形状の齟齬を防げます。

スイッチボックスの接点焼けは分解後に細目のサンドペーパーで酸化膜を除去し、接点グリスを薄く塗布します。樹脂ボディが劣化している場合はアッシー交換が確実です。すべてを復旧する前にハザードを30秒ほど作動させ、熱膨張による接触不良が出ないか確認すると実走行に近い状態でのチェックが完了します。

トラブルを繰り返さないメンテナンス習慣

修理が終わったら左右同時点滅の周期が1分間に60〜120回に収まるかストップウォッチで計測し、早過ぎ遅過ぎの場合は抵抗値を再調整します。端子にはシリコングリスを塗り、レンズパッキンのヒビ割れを交換して水密性を高めましょう。視認性維持のためレンズは中性洗剤で洗い、微細な傷をプラスチックポリッシュで磨くと光の拡散が抑えられます。LEDバルブは基板の半田クラックで突発消灯する恐れがあるため、振動が大きい車両では2年ごとの予防交換が安全策です。

雨天走行後は走行風で乾くのを待たずにソケット内部までエアブローし、端子腐食を防いでください。保管時にはデイライトと合わせてウインカーを点滅させて導通確認する習慣を付けると、出発前の安心感が大きく変わります。バイクにとって明確な合図は命綱です。小さな異変を見逃さず、定期点検と早めの手当てを心掛けることで、安全なライディングを長く楽しめます。